今や、日常生活の様々な場面で見聞きするようになった“カウンセリング”。一度は“受けてみたいな”“受けてみようかな”と思ったことがあるのではないでしょうか?
でも、“何をするの?”“カウンセラーってどんな人?”と疑問に感じたり、受けてみたいけれどハードルの高さを感じたりしたこともあるかもしれません。
そこで、このコラムでは、カウンセリングを受けてみたいけれど迷っている方々に、カウンセリングやカウンセラーについて解説したいと思います。
カウンセリングとは、心で悩んでいる事柄を専門家と話して解決していくプロセスのことです。そして、このプロセスを担う専門家のことをカウンセラーと呼びます。
現在、日本には様々なカウンセラーが存在します。例を挙げると医師や看護師、社会福祉士、精神保健福祉士、産業カウンセラー、そして臨床心理士や公認心理師などの対人援助職と呼ばれる人達です。
“カウンセリング”と聞くと、カウンセラーが私たちの悩みをまるで魔法のように、たちどころに解決してくれるような気がするかもしれません。
しかし、実際は、カウンセラーは来談者(相談に来られた方々をこのように言います)の気持ち/考え方を整理したり、少しの助言をしたりしながら、来談者が立ち直るきっかけをつくるのです。
カウンセリングでは、カウンセラーが来談者の悩みに耳を傾けます。
そして、来談者はカウンセラーに話を聞いてもらう過程で自分の気持ちや考えに整理がついたり、悩みを客観的に見直したりすることができます。
すると、心に余裕が生まれ、それだけで悩んでいた事柄から少しだけ自由になったり、どうしたら良いかに気付いたりすることがあります。
さらに、このような過程を繰り返していくと、次第にカウンセラーを頼らずとも、自分で自分の悩みに対処していけるようになったりもします。
カウンセリングには、以上のような効果があるのです。
そのため、カウンセリングでは、信頼できるカウンセラーとの出会いがとても大切です。カウンセラーに安心感や信頼感が持てないと、自分の悩みを打ち明けられないのはもちろん、どんな話もしにくくなるからです。こうなると、効果的なカウンセリングは難しくなります。
また、日本では、様々な資格を持った人がカウンセラーとして活動していますが、法律上、カウンセラーとして活動するのに特別な資格は必要ありません。極端な話、誰でも“カウンセラー”と名乗ることができるのです。
そのため、カウンセラーにカウンセリングをお願いしたつもりが、法外に高額な相談料金を請求されたとか、プライベートな時間/場所でも会うことを求められたなどのトラブルに見舞われた…という話が散見されます。
このようなトラブルに遭わないためにも、カウンセラーがどのような人なのかはしっかりチェックしたいものです。
以下に、カウンセリングを行っている職業/資格の一例を記載しておきます。ご参考ください。
①医師/看護師
医師は、診察や薬の処方を通して私たちの心身の健康を支えます。
看護師は、私たちの健康や生活の質の回復や維持を支えます。
②社会福祉士/精神保健福祉士
社会福祉士は「身体上若しくは精神上の障害があること又は環境上の理由により日常生活を営むのに支障がある者」のサポートを行います。
精神保健福祉士は「精神障害者の生活支援に関する専門的な知識・技術を有する、精神保健福祉分野の専門家」としてサポートを行います。
➂産業カウンセラー
「心理学的手法を用いて働く人たちが抱える問題を自らの力で解決できるよう援助する心理職資格」です。
④臨床心理士/公認心理師
臨床心理士は、「臨床心理学にもとづく知識や技術を用いて、人間の“こころ”の問題にアプローチする“心の専門家”」です。
公認心理師は「保健医療、福祉、教育その他の分野において、心理学に関する専門的知識及び技術をもって」対人援助を行います。
カウンセリングの効果については上記で触れましたが、それらは【手段】であり、【目的】は別にあります。では、カウンセリングの【目的】とは何なのか。筆者は、“生きている間、悩みは尽きないし解決しないかもしれないけれど、悩みを抱えて生きていけるようになる”ことだと考えます(もちろん、悩みが解決するに越したことはありませんが)。
“悩む”ことは決して気持ちのよい経験ではありません。また、今風に言えば“コスパ”や“タイパ”も悪いかもしれません。しかし、“悩む”ことは言い換えると“自分自身に向き合う”ことであり、その先には、人間的な成長があります。
上手く話せなくてもかまいません。何を、どう話せばよいのか分からなくてもかまいません。単純に、純粋に、“私”の話を誰かに聞いてもらいたい。そんな時には、よければ一度、当相談室のオンラインカウンセリングを受けてみませんか?
1)“こころもメンテしよう~若者を支えるメンタルヘルスサイト~”. 厚生労働省.
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/consultation/counseling/index.html,(参照2024-5-12)
2)“社会福祉士” . 社会福祉法人ふれあいネットワーク 全国社会福祉協議会.
https://www.shakyo.or.jp/guide/shikaku/setsumei/01.html,(参照2024-5-12)
3)“精神保健福祉士”. 社会福祉法人ふれあいネットワーク 全国社会福祉協議会.
https://www.shakyo.or.jp/guide/shikaku/setsumei/03.html,(参照2024-5-12)
4)“産業カウンセラー”. フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』. 2024-4-18.
https://ja.wikipedia.org/wiki/産業カウンセラー,(参照2024-5-12)
5)“臨床心理士とは”. 公益財団法人 日本臨床心理士資格認定協会.
http://fjcbcp.or.jp/rinshou/about-2/,(参照2024-5-12)
6)“公認心理師”. 厚生労働省.
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000116049.html,(参照2024-5-12)