こんにちは。モス心理相談室のコラム執筆担当です。
前回、『カウンセリングを受けたいと思っているあなたへ』というタイトルでコラムを書きましたが、今回は、カウンセリングの料金についてのコラムです。よければ、ご覧ください。
なお、本コラムは、過去コラム『お金をかけたくないけど、カウンセリングを受けたいときにはどうする?』と一部、内容が重複します。ご了承ください。
現在、日本で行われているカウンセリングは有料であることが一般的です。筆者が知る限り、1回のカウンセリングは5千円~1万円が相場のようです。では、なぜカウンセリングは有料なのか、これだけの料金がかかるのか。以下に、考えられる理由を挙げました。
まず、大前提として、私たちが暮らす社会では、何かを得ようと思ったら、それに見合うだけの対価(一番分かりやすいのはお金でしょうか)を払う必要があります。この例に漏れず、今の日本でカウンセリングを受ける際には料金がかかります。
また、カウンセリングの料金には、カウンセリングルームを維持/運営するための費用、カウンセラーの自己研鑽のための費用なども含まれています。カウンセリングを受けること+αの費用もかかるのです。
加えて、カウンセリングはクライエントの話にじっくり耳を傾けることが不可欠(筆者の所感だと、標準的なカウンセリングで50分前後、最低でも30分は時間を確保する必要があります)であり、ファストフード店のように、回転率を上げて利益を出すことができません。そのため、どうしてもカウンセリング1回あたりの料金も上記のような設定になりやすいです。
さらに、今の日本では、カウンセリングに対して、医師の診察や処方のように保険が適用されないことがほとんどです。
これらのような事情が相まって、カウンセリングは有料かつ相場が高くなりがちです。
カウンセラーは、クライアントの悩みを解決するために、確かな知識や理論、経験に基づいた様々な手法を身に着けており、かつ、アップデートを続けています。
①でも少し触れましたが、このような知識や理論、経験への対価や、アップデートのために必要な費用として、カウンセリングは有料となっています。
①や②とはまた異なる切り口で、カウンセリングが有料な理由について述べてみます。
まず、誤解を恐れずに言うと、カウンセリングは、世間一般のイメージほど生易しいものではありません。
なぜなら、カウンセリングでは、今まで気が付かなった〔自分〕に気付くということが起こりますし、そうやって気付いた〔自分〕は、どこかで薄っすらと気付いてはいたけれど(あえて)知らん顔していた〔自分〕だったり、もっと言えば、気付きたくない、認めたくない〔自分〕であるかもしれないからです。
そのため、仮にカウンセリングが無料だった場合、(おそらく)勇気を出してカウンセリングを受けてみたものの、中途半端なところで止めてしまうといった事態が起こるでしょう。
もちろん、有料のカウンセリングであっても同様のことは起こりえます(これを“中断”といいます)。しかし、無料の場合と比べると、身銭を切っているぶん、真剣さは変わってくるはずです。
別の言い方をすると、他の誰でもない“あなた”自身がカウンセリングを受けているのだということを自覚してもらうためにカウンセリングは有料なのです。
その他、カウンセリングが有料であることについて、以下の動画でも解説しています。ご覧ください。
しかし、そうは言っても無い袖は振れないもの。そのような時にはどうすればいいのでしょうか?
以下に、カウンセリングとは違うものの、相談できる機関の一例を記載してみました。
「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第6条に定められた精神障害者の福祉の増進を図るために設置された機関」のことで、「都道府県単位、または政令指定都市に設置されている」公的機関です。
精神保健(様々な精神疾患など)に関する困りごとの相談やアドバイス、医療機関や支援機関の情報提供などを行っています(なお、名称は自治体によって異なる場合があります)。
「児童福祉法第12条[1]に基づき、各都道府県に設けられた児童福祉の専門機関」のことで、「0歳から17歳の者を対象」に、家庭や学校などからの相談に応じています。
広く子どもや家庭に関する悩みや困りごとの相談に応じているほか、療育手帳の判定を行ったりもしています。
子どもから成人まで、幅広い年代を対象に相談に応じています。『いのちの電話相談』などが有名ですが、スマートフォンの普及に伴い、近年はSNSによる相談も広がっています。
以上、今回のコラムでは、カウンセリングの料金について触れました。本コラムが、読んでくださった方のお役に立てば幸いです。
1)“精神保健福祉センター”. フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』. 2024-1-22.
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B2%BE%E7%A5%9E%E4%BF%9D%E5%81%A5%E7%A6%8F%E7%A5%89%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC,(参照2024-6-23)
2)“児童相談所”. フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』. 2024-6-18.
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%90%E7%AB%A5%E7%9B%B8%E8%AB%87%E6%89%80,(参照2024-6-23)
3)“まもろうよ こころ”. 厚生労働省.
https://www.mhlw.go.jp/mamorouyokokoro/soudan/,(参照2024-6-23)